Q
 20年ほど前に父(甲)が建築し、父名義で登記のされている建物(固定資産評価額300万円)があります。
息子の私(乙)が実家に帰り同居することになりましたが、手狭であるため700万円をかけて増築したいと思っています。この場合の登記手続はどのようにすればよいのでしょうか。
A 
 乙の増築部分に専用の出入り口が有り、甲の建物とは完全に区分され構造上及び利用上一個の建物としての要件を備えている場合には、乙はその増築部分を区分建物として乙名義に新築の登記することができます。
この場合、甲の建物も区分建物となりますので、その変更の登記が必要です。
 しかし、ご質問は、一般的な住宅に部屋等を増築する場合と考えられます。
一般的な住宅に増築する場合、増築部分のみを乙名義にすることは不動産登記手続上できません。
この場合には、事前に甲の持分の一部(価格から勘案すると10分の7)を乙へ移転する登記をして甲乙共有の建物にします。その後、甲乙が共同して建物の増築登記をするのが良いのではないかと考えます。
 また、甲の了解が得られて、甲の所有権全部を事前に売買もしくは贈与等を原因として乙に移転できれば、乙の単独所有の建物になりますから、乙は自分の建物に自分が費用を出して増築することになりますので、乙のみから増築の登記を申請することになります。但しその場合には、譲渡所得税や贈与税が発生する場合がありますので、注意が必要です。
 また、増築登記は土地家屋調査士の業務ですが、所有権もしくは持分の移転登記は、司法書士の業務範囲ですので、この場合は土地家屋調査士と司法書士が共同しながら進めることになります。